今回は不動産屋さんからの作業依頼です。
他業者様に特殊清掃と遺品整理を依頼されたのですが、どうしても腐敗臭の除去ができないので弊社に相談がありました。
そちらの業者様ではこれ以上の事が出来ないとさじを投げられてしまったらしく、腐敗臭が除去できないともちろん原状回復工事もできません。いつまでも空き部屋にするわけにはいかないのでしょう。とりあえず現地確認を兼ねてお見積りでお伺いさせて頂きました。
部屋を確認すると、まず家財道具はありませんし汚染箇所も分かりません。清掃が終わっているので当たり前ですが、私どもが困るのは、どこで最後を迎えてしまったのか、体液や血液がどのくらいの量なのか全くわかりません。
この状態ではお見積りが難しいので、フロアタイルを剥がさせて頂きました。するとフロアタイルのから体液が出てきてしまったのでその旨伝え見積もりを提案させて頂きました。
すぐに作業依頼を頂けたので、全面のフロアタイルを剥がさせて頂き、汚染箇所が広範囲なのが分かります。フロアタイル直貼りなのでコンクリートにまで汚染が広がってしまっています。この場合は解体する訳にはいきませんので
再度コンクリートの清掃を念入りに行います。薬品と溶剤とを使いわけて何度も清掃します。溶剤だけでは臭いが分からなくなってしまいます。少し時間を空けながら清掃を行います。
ですが、コンクリートにしみ込んでしまっている体液を完全に取り除く事は不可能です。
できる限り清掃を行い、その上から防臭材でコーティングします。今回はコンクリートなのと汚染範囲が広範囲なので、仕上がりが透明なコーティングを使用しました。
通常このコーティング剤を使用するときは、上塗りを含めて２～３回塗布します。冬場ですと乾くのに時間がかかるので、一回目の塗布が終わったらオゾン機を設置して防臭材とオゾンとで消臭を繰り返します。
この作業を凝り返し行い、腐敗臭の除去が確認できたら、原状回復工事に取り掛かります。腐敗臭が残ってしまっていたら原状回復工事はできません。腐敗臭除去に関しては、かなり慎重に行います。
造作工事が終わってしまってからでは後戻りはできません。その後のクレームにならないように臭気の確認を行います。
今回は臭気の確認を行い、原状回復工事まで弊社で承ました。
消臭を意識した原状回復工事になります。通常のリフォームより施工工程は増えますが、施工後に腐敗臭が出ないように施工します。
工事後はあの腐敗臭が想像できないくらいきれいにさせて頂きました。
弊社では今回のように、他社様で施工したが腐敗臭が残ってしまい、弊社にご相談を頂く事が多く御座います。
腐敗臭の完全除去をお望みでしたら、施工してもらう業者の選定は慎重に行ってください。「安ければよい」ですとか「高価だから信用できる」とは限りません。各社のホームページをしっかりと確認して無駄のない原状回復工事が行えるか、腐敗臭はなくなるのかを依頼者様がよく確認してから業者の選定を行ってみて下さい。
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配･･･などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP（繊維強化プラスチック）等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。
